2022 62nd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 審査委員講評

  • フィルム部門 審査委員長

    細川 美和子Miwako Hosokawa
    • (つづく)
      CREATIVE DIRECTOR/COPY WRITER

    複数の審査委員から「ACCがこんなにも時間をかけ、議論を重ねて選ばれているとは知らなかった。今までもらった賞の重みを知った」と言われました。それぐらい、一人ひとりの意見には違いがあり、説得力があり、審査が白熱しました。たとえば、話題のコンテンツ、歌、タレントの力などとかけ算することが多い広告において、表現のオリジナリティについてどう考え、なにを評価するのか。また、広告の役割を広げた新しさを重視するのか、フィルムだからこその表現力を重視するのか、時を超えて心が動かされる普遍性を評価するのか、この年だからこその時代性を評価するのか。いずれにせよ、広告の歴史として残したい、と思うものが厳選されました。あえて今年の傾向で言うと、Aカテゴリーは広告としての新しさよりも、表現としての新しさの中で、普遍的な人間性が描いたものが選ばれたように感じます。そのための技術や豊かさが失われつつあることへの警鐘のようなものも何人かの審査委員からは感じました。個人的には、見てもらえないことへの危機感、枠に捉われないチャレンジ、個人の情熱を貫き通す勢いをBカテゴリーに感じました。制限のない秒数への自律や、表現力がさらに磨かれた時、あるいはより大きな予算がBにつくようになった時、AやBという区分が意味をなさなくなるかもしれません。垣根を超えて、フィルムが果たす役割が広がっていくことを願っています。

    フィルム部門 審査委員

    麻生 哲朗 Tetsuro Aso
    • TUGBOAT
      CMプランナー、クリエーティブディレクター

    俳句は、五七五の中で巡る季節を題材にし続けながらも「類想があるものを作ってはならない」という前提を守り続けている。ポップスは、五線譜やコードの有限の中で、それでも今までにない曲、やがてのクラシックを作ろうともがき続けている。広告表現だけが、広告を参考に、まるで受験生が参考書の類題を解くかのように企画がなぞられ、いつの間にかそれが評価されるようにもなってきてしまっている。企画・演出の既視感は実績、品質保証だと割り切れば一定水準の広告は作れるかもしれない。そこにビジネスはある。けれど可能性はあるのだろうか。様々な広告表現の可能性を発掘するために多様な審査委員が集められたのだとしたら、今回の審査はそれに適うものだっただろうか。多様性を掲げたときに陥りがちな作業に止まってはいなかったか。議論の中で、必要なワードはいくつも出てきた。けれどそれらのワードが持つ意味や意義をより深く、あるいは新しく検証できていたのか、今も正直その疑問や反省を消化しきれていない自分がいる。それに対する答えは、抽象的な議論の先ではなく、これから生まれる具体的な広告表現にある。それを見たいし、作りたいと思う。

    正親 篤 Atsushi Oogi
    • なかよしデザイン
      代表取締役、AD・CD・PL

    ちかごろ自分が広告を作るときは「広告も商品だ!フガッ!」と思って考え始めます。なので「広告にこんな可能性や拡張性があったのか!うぐぐっ嫉妬するな…」と思えるものと出会いたいなと思って審査に参加しました。いろんな思いや目的をもった広告が集まっていましたが、なにか全く新しい感情を湧き起こすものといったのは無かったように思えました。「あんたね、審査なんてしてずに自分で作ってみなさいよ」と、表現の神にねちっこく叱られたような気がしました。

    神田 祐介 Yusuke Kanda
    • 神田商事
      クリエイティブディレクター、CMプランナー

    商品は日常に紐付いている現実で、ストーリーは制作者が紡ぐフィクション。映像コンテンツ飽和状態の時代の中で、現実とフィクションが混在しているCMという映像は唯一無二の面白さを秘めているのだと思う。その二者の調合バランスや世の中に提供する際の温度管理が今の時代の気分にフィットしているかどうか。審査会で迷わず票を投じたほとんどの作品に、そのCMの個性が巧妙に設計されていたように感じる。いいCMの価値が不明確になっているから、いま一度CMならではの表現力を感じさせてくれた作品にグッときたのかもしれない。個人的にはCMの未来を見出すことより、CMを取り戻す審査だったと感じている。

    岸田 奈美 Nami Kishida
    • 作家

    エッセイや小説を書いてきた身で、広告の世界でなにを評せるのだろうかと悩んでいましたが、すべての素晴らしいクリエイティブは“感情”を表現しているという普遍に気づくことができました。けれど、人間の感情は複雑で生々しいからこそ、わかりやすい感情を作りにいってはいけない。良い創作物には必ず垣間見える、制作者の原風景とも言えるような、胸をつかれる感情がこもる広告に触れることができ、本当によかったです。

    城殿 裕樹 Hiroki Kidono
    • KEY pro
      CEO、チーフプロデューサー

    「魂は細部に宿る」
    緻密に計算され、それを実現した裏方全員の熱量を感じるCMは、人々の心を打つと信じています。撮影スタッフはもとより、広告会社の営業さんやプロデューサー、プロダクションマネージャー。いいCMはそういった裏方全員の力の結晶です。そんな裏方を代表して、唯一のプロデューサー審査委員として参加させて頂きました。

    立場は違えど、広告の可能性を信じて、その価値を向上させていきたい。自分を育ててくれた広告業界が素敵な場所になっていてほしい。そういう思いが、審査委員全員に感じられてとても嬉しく思いました。一方で、そんな思いを持つ裏方の頑張りも、もっと評価して欲しかった。それをうまく言語化できなかったという後悔が残ります。

    国井 美果 Mika Kunii
    • 株式会社国井美果
      コピーライター、クリエイティブディレクター

    初めてのACCフィルム部門審査、一次から数多のCMを見ながら最終審査に臨もうとしていたのですが。直前で体調を崩し、ほぼ参加できずとても残念でした。みなさまにご迷惑をおかけしてしまって申し訳ございませんでした。審査陣も運営陣も、物理的にも精神的にもかなりのものを捧げながらACCは選ばれていることを知りました。印象的だったのは、豊かな人間味とか送り手から滲み出てしまう何かがあるフィルム。あと、広告は問題提起や顕在化は得意ですが、当事者が置いてきぼりにならないように繊細に扱わなければということも改めて感じました。とても勉強になりました。いい仕事をしたい気持ちが高まりました。

    栗田 雅俊 Masatoshi Kurita
    • dentsu
      クリエーティブディレクター、CMプランナー、コピーライター

    今年は、映像表現としてウェルメイドで情緒的な作品が上位に多く、そのクオリティには感嘆するばかりでした。midnight trainなど何度見ても泣いてしまいます…。
    その一方で、入賞作品全体を見ると、広告には他にもいろんな角度の良さがあるんだなと改めて思いました。広告は、人気のタレント、流行ったコンテンツ、懐かしい音楽、バカなギャグ、狂った実験などなど、人間が喜ぶありとあらゆるものを化け物みたいに飲み込んで、世の中に賑わいをつくれるタフな表現なんだなと。その器のでかさといい意味での下世話さ、お祭り性も好きだなあと感じました。なので個人的には、シルバー以下に散りばめられたいろんな味のCMたちも上位と限りなく横一線です。ぜひ全体でご覧いただければと!

    児島 令子 Reiko Kojima
    • 児島令子事務所
      コピーライター

    10年ほど前、有名アニメを元ネタにしたCM表現が注目を集めていた。
    当時のACC審査会で私はこんな意見を言った。
    「広告が昭和のコンテンツを消費していけば、いつか昭和は使いはたされ空っぽになる。
    広告は広告発の文化を世の中に投入しなきゃ」と。わりとスルーされた(笑)
    で、2022年のACC。
    元ネタありのものをCMに使うことの是非が審査委員間で議論された。
    ただし元ネタは、YouTubeなどネット発のものとなっていた。
    私は以前のように悲観的じゃなかった。
    ネット発の表現をネットの文脈でマッシュアップしてCMに。
    それがまたネットの海に返っていくというのはありではないかと。
    オリジナリティって何?線引きってどこ?元ネタにも元ネタがある時代。
    若い制作者はどう考えてるだろう。

    清水 恵介 Keisuke Shimizu
    • TBWA\HAKUHODO
      クリエイティブディレクター、アートディレクター

    今回、はじめてACCの審査委員をさせていただきました。
    忖度がない公平な審査であること、白熱した議論を何度も重ねた結果であることを、
    身をもって知り、この賞の重みを改めて感じました。
    審査会が終わった後は、たくさんのフィルムを浴びて、
    初心にかえり心が洗われるような気持ちになりました。
    プラットフォームが拡張しつづける今の時代に、ACCが評価するべき広告フィルムとは何なのか。
    受賞されたフィルムには、時代性を捉えることだけでなく、
    独自の視点があり、次の可能性を示し、社会を前進させる力を感じました。
    人に影響を与え、注目を浴びることばかりを考えるのではなく、
    献身的な態度で考えていくことが、そういった力を生むのだと気づかされました。

    正樂地 咲 Saki Shorakuji
    • 電通関西支社
      コピーライター、プランナー

    審査をさせていただいたことで、今年つくられた沢山の広告フィルムに触れることができました。あぁいまは、コロナで大変な時代であり、みんなで少しずつやさしくなろうとしている時代でもあるなと思いました。美しさにうっとりし、面白さに励まされるうち、毎日つづく生活のそばにはどんな広告がいて欲しいかな、ということも考えたりしました。広告は勝手に生活に飛び込んでくるものだけど、今回並んだ作品たちなら、元気な時でもそうじゃない時でも、飛び込んで来てくれていいよ。はい。

    鈴木 晋太郎 Shintaro Suzuki
    • 電通
      クリエイティブディレクター、CMプランナー、コピーライター

    初審査委員。気負いすぎて、自分がどんな軸を持って何を評価するかに集中するあまり、
    審査を大局的な視点で見られなかったことを、反省する今日この頃。
    全体的に性格のいい優等生な表現が多く、評価もされていた印象です。
    芦田愛菜的というか、大谷翔平的というか、藤井聡太的というか。
    ウェルメイドで時代の空気とも共鳴していて素晴らしいと思いつつ、
    “伝え方”の新奇性や技術やチャレンジが求められづらい風潮は、淋しいというか、
    正直ちょっと退屈でした。Bカテゴリーに見られた逸脱しようとする意思が、
    Aカテゴリーにこそ必要なのではと感じました。

    鈴木 わかな Wakana Suzuki
    • トランポリン
      ディレクター

    こんなにも1日中、広告について話をしたことはありませんでした。
    ACCは広告の作り手を応援するために生まれた賞、だそうです。
    その起源の通り、議論を重ねた大半の時間は、推しのCMに対する
    それぞれの応援演説でした。ああ、これ作ったご本人に聞かせたいなあ、
    と思う瞬間がたくさんありました。
    それぞれの視点の違いはあれど、広告に真摯に向き合う熱量は
    皆さん同じで、審査をしながらそれを垣間見れたのが
    今後の自分の糧になっていくと思います。
    CMが大好きでこの職業につきました。
    私はなぜ、CMが好きになったのか、を審査をしながら
    今一度自分に問いました。
    その答えを、私は審査の基準にしました。

    田中 嗣久 Tsugihisa Tanaka
    • ディレクター

    初めての審査で意外だったのは、
    各審査委員が評価するもの、好きなものが思っていた以上にバラバラだったこと。
    様々な表現を生み出す人達が様々な表現を審査することは健全だと思ったし、
    こういう環境からは、今後まだまだ新しい視点や切り口の表現が生まれてくるんじゃないかと期待が持てて
    嬉しく思いました。

    個人的な収穫は、
    見たことのないものを生み出したいという、ある審査委員の方の想いに
    身が引き締まる思いをしたことです。

    福部 明浩 Akihiro Fukube
    • catch
      クリエイティブディレクター、コピーライター

    藤井 亮 Ryo Fujii
    • GOSAY studios
      映像作家・クリエイティブディレクター

    Aカテゴリー、審査前は反ウェルメイドくらいの気持ちで挑んだのですが、結局、僕をふくめ皆が良いと思うものは上質で丁寧に人の感情を描くものがほとんどでした。乱暴で勢いのあるようなものは今の地上波には合わないのかもしれません。だからこそ挑戦したい気持ちもありつつ。Bカテゴリーは勢いはありますが、もっともっとべらぼうに無茶苦茶なものが出てこれる余地を感じました。
    審査会のすこし前、大学の講義で、ふと気になって「好きな映像」をひとつ教えてください。と学生に聞いてみました。MVやYouTubeやアニメ作品が色々と列挙されるなか、CMはひとつだけでした。
    ひとつだけではありますが、まだひとつはある。

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  • フィルムクラフト部門 審査委員長

    多田 真穂Maho Tada
    • 電通クリエーティブX・Dentsu Craft Tokyo
      執行役員・エグゼクティブプロデューサー

    今年度新設された『フィルムクラフト部門』の審査委員は、ディレクターやカメラマンなど様々な職種の制作スタッフの皆さんにご担当いただきました。
    最終審査会は約16時間に及び、日本の広告制作現場が丸1日機能不全に陥ったのではないかと思うほどの売れっ子の皆さんと熱い議論を交わすことができました。

    審査委員の皆さん、本当にありがとうございました。
    今回『フィルムクラフト部門』では、「アイデアを制作技術によっていかに高いクオリティの仕上がりへ飛躍させたか」を基本的なクライテリアと致しました。
    グランプリを受賞した「森ビル」は、現代では撮影できない風景や人物の再現における高度なVFX技術、各カットの画のつなぎ、音楽の当て方など、すべてにおいて圧倒的なクラフト力であり、さらにそれがイノベーティブであることが高く評価されました。
    ショートリスト以上の作品は、それぞれに評価すべきクラフトのポイントがあり、上位のメダルにいけばいくほどそのポイントが多岐にわたり、かつどれかが突出している作品であるという状況でした。

    また、フィルム部門から移行した『スタッフ賞』では、「制作スタッフをちゃんと褒めること」を目指しました。

    審査方法は、審査委員の皆さんに「この作品のこのポイントを評価したい」というご意見をすべて持ち寄っていただき、そこに貢献したスタッフ全員に授与するという考え方を採用致しました。その結果、15職種のスタッフ(チーム)の皆様が受賞することとなりました。同じ制作スタッフだからこそ分かる高度な技術の数々を評価できたのではないかと思います。さらに最終審査会後、私が各作品の担当プロデューサーにインタビューし、最終的な受賞者を決定させていただきました。

    『フィルムクラフト部門』の存在により、作品のクラフト部分や制作スタッフにフォーカスが当たることで、特に若い世代のモチベーションが上がり、人と技術の成長に貢献できればと考えています。審査委員の皆さんは、事前のキックオフミーティングの段階から全員同じ思いでいてくださいました。受賞された皆さんが喜んでくださり、他の皆さんも今後この部門の受賞を目指してくださるなら、当代きっての売れっ子の審査委員たちの16時間の頑張りは報われるのではないかと思います。

    フィルム部門 審査委員

    井口 弘一 Koichi Iguchi
    • SOURSOX
      ディレクター

    市橋 織江 Orie Ichihashi
    • 市橋織江写真事務所

    作品を作る上で絶対に欠かすことの出来ない部分を支える、今まで改めて注目されることのなかった様々な素晴らしい技術や実力を持った人達、そんな人達をきちんと評価することが可能になったことがとても嬉しく思います。そして、そのような観点から作品を観るという行為が、とてもわくわくする興味深い体験だったと感じます。また同時に、ある秀でた部分に特化されることなく、気が付かないうちに好きになってしまうような作品の強さ、作品にとって一番大事なものは何なのか、そんなことを改めて考えさせられる審査会でした。この賞が、すべての作り手の方々にとっての原動力のひとつになるよう、成長していって欲しいと思います。

    稲垣 護 Mamoru Inagaki
    • ギークピクチュアズ
      取締役、エグゼクティブプロデューサー

    実制作のスタッフにスポットをあててくれた賞が設立されたことはとっても嬉しいことで
    この先、フィルムクラフトグランプリを狙って、いい映像を作っていく人たちが増えるといいなと思っています。
    審査では、いろんな工夫や考えや努力がしっかり詰め込まれた映像が多く、映像愛をひしひしと感じながら楽しく拝見させて頂き、勉強にもなりました。
    いろいろな視点での評価があり、これは奥が深い賞だなと思いました。
    フィルムクラフト賞が盛り上がって、いい映像をどんどん生み出していってほしいなと心から思いました。
    とてもいい経験をさせて頂き感謝です。
    そして、受賞したみなさまに、おみごと!です。

    内田 将二 Shoji Uchida
    • 内田将二写真事務所
      代表取締役/フォトグラファー

    応募作品にはクオリティの高い作品が多く、それぞれに評価を付けていくのも難しかったですし、その中から一本を選ぶとなるとかなり悩みました。
    自分はカメラマンという立場なので、今回はその視点から審査をさせて頂きましたが、
    ライティングやカメラのフレーミング等の技術的な部分は勿論のこと、映像全体の精度の高さや、それを作るのに要した各スタッフ達の労力や時間などの背景的な部分も想像しながら審査を進めました。
    ACCの審査会には初めて参加しましたが、一度にこれほど多くの映像作品に触れる機会は滅多にないので良い経験になりました。

    加島 貴彦 Takahiko Kajima
    • zero
      執行役員、CREATIVE PRODUCER

    今回新設されたフィルムクラフト部門、クラフト力に長けた素晴らしい作品を数多く拝見させて頂きました。
    トップの受賞作はどれも予算規模の大きいものになりましたが、
    エントリーされた作品の中には、ローバジェットながらも素晴らしい作品が多々ありましたので、
    今後はもう少し募集要項も細分化され、
    そういった作品も賞が受賞できるようになるといいなと個人的には思いました。

    深夜まで及ぶ審査会、みなさまお疲れ様でした。

    勝俣 円 Madoka Katsumata
    • DASH
      執行役員、チーフプロデューサー

    DASHのプロデューサーの勝俣円と申します。素晴らしい審査委員の皆様との長時間に及ぶ話し合いは、ものすごく刺激的で、私にとっても大変貴重な機会となりました。ありがとうございました。
    私の中での審査基準として、「心が揺れ動いてワクワクする!」
    「この仕事関わりたかった!」「これはズルい!やられた!」を、ポイントにさせていただきました。広告の映像と言っても数秒のものから2時間越えの作品まで様々です。これだけ多種多様な映像が増えているということは、私たちの役割も、これからの広告映像の可能性もアイデアとクラフトの力で無限大になるのではないかと感じました。受賞された皆様、本当におめでとうございます!

    神田 剛志 Takeshi Kanda
    • 十十 (jitto.inc)
      Founder、VFX Supervisor

    ここ数年の傾向ですが、全体的に『コヂンマリ』とした作品が多いな、と感じてます。予算の削減、コンプライアンスによる表現の制限等が影響してるのかとは思います。受賞作は、その辺を上手く処理しながら苦境を力として、地味な撮影だがアイデア一発でインパクトのある画に仕上げたり、叩かれる可能性を恐れずに、思い切ったストーリーを描いてるような作品が選ばれてる印象を持ちました。時代に抗い、予算をかけ、派手な撮影もして、言いたい事も言う作品も僅かですがありました、『天晴れ!』です。そんな作品は自身を含め、審査委員の方々も好きなんですね!昔はもっとあったはずです、好きなCM。そんな好感度の高い作品が増えた時には日本も元気になってそうです。

    菅野 よう子 Yoko Kanno
    • 作編曲家、プロデューサー

    普段脚光が当たることのない匠たちに支えられて仕事ができている実感があったので、
    そういう匠に光を当てることができる機会を光栄に思いました。
    大変な努力をした人、挑戦をした人、挑戦ししかも成功した人、という順番で、点数を入れさせていただきました。
    光る作品の多くが、海外クリエイターが関わる作品だったことは、少し残念に感じます。
    アーティスト性の高いクリエイターの技に語りの多くを委ねるのでなく、答えのないもの、何か新しいものを作っていこうとするクラフトマンシップがチーム全体にある作品に、心を惹かれました。

    児玉 裕一 Yuichi Kodama
    • vivision
      映像ディレクター
    • CANADA LONDON

    広告としての機能性というよりはむしろ「映像そのもののクオリティ」という点のみで議論を重ねました。良作も多くグランプリ作品をひとつに絞るのに難航したのですが、これは圧倒的な作品が無かったともいえます。次回は映像のパワーのみでいろんな理屈をぶっ飛ばした最強の作品が登場することに期待しております!

    金野 恵利香 Erika Konno
    • TYO WHOAREYOU
      Director

    クラフト力を評価するって奥が深いなと思いました。
    予算をかければかけるほど、クラフト力が上がるのかという疑問が頭の中でぐるぐる回っていました。
    はじめての部門ということで応募数が少なかったこともあり、評価されるべきCMは世の中にもっとあるような気がしてもったいなく感じました。
    スタッフ賞がさらに認知され、影でがんばっている作り手たちのモチベーションが上がり、スポットライトが当たりまくる日が来ればいいなと祈っております。
    なにより、審査委員の方々の発言が学びになりました。日本のクラフト力の向上に貢献できるよう精進していきたいなと思えた、夢心地な審査会でした。
    最後になってしまいましたが、受賞したみなさま、おめでとうございました。

    貞原 能文 Yoshifumi Sadahara
    • MARK
      会長、プロデューサー

    過去の基準がない状況での審査会ということで、長時間に渡る白熱した議論でした。尺もフォーマットもアウトプットのメディアも違う、バラエティに富んだな作品が集まり、楽しい反面難しい判断が必要な局面も多々ありました。映像は様々なパートの連携によって成立しているので、「連携」というポイントで言うと、「アニメーション」や「フルCG」作品よりも、実写作品の方が評価しやすい面があるように思います。また、コロナ禍以降の作品が多かったという時代性もあり、派手な作品よりも「内省的」、「静的」な作品が多かったのも今回の特徴かと思います。

    関口 現 Gen Sekiguchi
    • REINBACH
      CMディレクター

    浜崎 慎治 Shinji Hamasaki
    • CMディレクター

    フィルムクラフト部門の設立初年度ということもあり、手探り状態での審査会。多田審査委員長をはじめ、制作スタッフで構成された審査会は大変有意義だったが、まさかの深夜2時までの大延長戦。ラストは審査委員が持つ一票の差が運命を分けた。審査会って他人の作品を評価する会なようでいて、自分の評価基準を明確に決める会でもあり、それが自分の成長にも繋がる。この部門はスタッフ賞があるのが大きな特長だが、個人が、制作チームが、今後ここで評価されることがモチベーションの一つになるはずである。クラフトという文字が持つ意味は人によって異なるが、こんな素晴らしい審査メンバーに出会えたことに感謝しかない。

    柳町 建夫 Tateo Yanagimachi
    • TATEO
      美術デザイナー

    今回、新設されたクラフト部門に応募された作品は、どれもこだわりのある作品の数々で、作品の制作に関わった方々の苦労を考えると制作過程の細部までを知らずに評価するのは烏滸がましいとも思いましたが、多田委員長の『今まで光が当たっていないところにも光を当てて業界が盛り上がる一助となる賞にしたい』との考えに賛同して参加させていただきました。審査会は多くの作品を一度に視聴する貴重な機会でした。作り手の情熱を感じながら、歴戦の猛者である審査委員の方々の多様な視点からのご意見を聞くことのできる、感心してばかりの白熱した長時間に及ぶ会でした。今までにない個別賞に、少しでも光が射したと感じていただけたら幸いです。

    山田 勝也 Katsuya Yamada
    • 愛印
      代表取締役/音楽プロデューサー

    審査委員をさせていただき、たくさんの作品に触れて改めて大事なことがわかりました。感動する作品はそれに関わっている人たちの気持ち、熱量がその作品に宿っているということです。そしてそれらは人の心に歓喜を与えることができるということです。今、先の見えにくい時代だからこそ、そのことが大事な気がしてます。

    山田 智和 Tomokazu Yamada
    • Caviar
      Tokyo Film/Director

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  • ラジオ&オーディオ広告部門 審査委員長

    古川 雅之 Masayuki Furukawa
    • 電通関西支社
      グループ・クリエーティブ・ディレクター、CMプランナー、コピーライター

    フレッシュとベテラン、作り手と送り手、メディアのプロフェッショナル、そして異業種のクリエイターの方々。まさに多様な視座を得た審査会は、リモートとは思えない活気ある意見交換の場となった。
    Aカテゴリーのグランプリは、エフエム群馬の特殊詐欺対策キャンペーン。同クライアントの過去作で類似手法への指摘もあったが、審査委員が口々に「自分の母親(おばあちゃん)に電話したくなった」と、「リアルなおばあちゃんの声」に心を動かされた。切実なテーマに真摯に向き合い、「ちゃんと効く広告」を考え続ける中で、再び到達した高みであろう。
    また特筆すべきは、グランプリ含め各賞にU29制作の作品が入賞したことだ。企画・キャスティング・演出と、そのすべてに自分の思いを乗せやすいラジオCM制作。そこに若い力がチャンスを見出していること、高いレベルの作品が生み出されていること、そして結果を勝ち得たことは素直にうれしい。もっと、どんどんやって欲しい。
    Bカテゴリーは、「何を」「どう評価するのか」混沌とする中、COTEN RADIOが鮮やかにそのひとつの答えを示してくれた。僕自身、人気のいち音声コンテンツ(ポッドキャスト)と思っていたものが、実は知名度獲得(ブランディング)・人材募集(リクルート)・資金調達(投資家へ)の「広報活動」である、というプレゼンテーションは圧巻であった。「武器は音声と、歴史への愛だけ」という端的なアイデア。自分たちの強みを「音声」に託し、新しいビジネスの可能性を提示してくれたことは、まさに歴史的なことだと思う。

    ラジオ&オーディオ広告部門 審査委員

    久間 恵子 Keiko Kyuma
    • 博報堂クリエイティブ・ヴォックス
      コピーライター、クリエイティブディレクター

    はじめての審査。参加させていただけて感謝です。予選の時点で、300本以上のラジオCMを浴びるように聞くのはすでに楽しかった。審査会では意見がバラバラなことに驚きつつ、自分の視野の狭さ・素人くささを思い知りながら、心にメモをとりまくりました。難しかったのはBカテゴリー。2本しか残せませんでしたが他も力作揃い。音にすっぽり包まれる体験装置「鼓動する畳」とか、難解なコンテンツを聞きたい言葉に変換する「SDGs前文超訳プロジェクト」とかとか。一部の人だけに届ける設計のコンテンツをどう評価するかでは議論が生まれたり。作り方も届け方も違うものを評価するなんて難しすぎる! でもだからこそ、まだまだ拡がるカテゴリーだと感じました。

    佐藤 満春 Mitsuharu Sato
    • ケイダッシュステージ
      芸人、放送作家

    今回は貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。現在ラジオを含むおよそ20本ほどの番組に放送作家として(また兼出演者として)制作に関わっています。その中で放送上の「CM]という存在は非常に大きく1つの番組の色にも成りうると考えております。ANN賞審査会の審査委員の皆さんはそれぞれキャリアも職業も違う中、様々な角度からの視点でCMについてのお話をしてくださり、このメンバーで特番できるなあと職業病のような感想を持ってしまいました笑。CMはメッセージも含めて企業も代理店も番組もリスナーもみんなにとって大事なもの。今後もACCさんの活動をはじめCM業界全体が盛り上がるといいなと思います。

    澤本 嘉光 Yoshimitsu Sawamoto
    • 電通グループ
      グロース・オフィサー、エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

    しまおまほ Shimao Maho
    • 漫画家、イラストレーター

    初参加だった今回、当日まで不安と緊張でソワソワしっぱなしでした。わたしの意見がトンチンカンだったらどうしよう、いちラジオリスナーのわたしが審査委員なんて、そして長時間にわたる自宅からのzoom審査会、お腹空いたらどうすれば…。しかし始まれば審査委員がお互いの意見に共感し、学び、違いを楽しむというなんとも充実した時間。最後には「あー楽しかった!」そして「皆んなで飲みに行きたい!」と思わず声に出たのでした。ありがとうございました!

    しりあがり寿 Shiriagari Kotobuki
    • 漫画家
      さるやまハゲの助/代表

    審査楽しかったです!なんてったって広告界は日本でサイコーにセンスとアタマが良い人たちが集まってるんだから面白くないわけないです。その人たちが作ったものが100本も200本も集まってんだからホント楽しかったです。しかも審査会に出てみたらセンスとアタマだけじゃなくてマジメで熱かったです!以上無敵でした。

    中山 佐知子 Sachiko Nakayama
    • ランダムハウス
      コピーライター、ディレクター

    ぜんぜん講評じゃないんですけど、やっぱりリアル審査がいいですよね。雑談ができますもんね。隣の人にちょっと訊きたいこともヒソヒソ訊けますしね。リモートだと何か言うと画面で顔が大きくなるじゃないですか。するともうしょうもないことを訊いただけなのに「意見」だと思われるとまずいな〜ってことで遠慮してしまいます。「違う違う、この作品がわからないって言っているのじゃなくて、単に自分の知識を補おうとしているのです」って、いちいち説明も面倒です。そうそう、そんな状態ですから審査委員長はたいへんだったでしょうね。わざとらしくてすみませんが、本当にお疲れさまでした。とはいえ審査は面白かったです。秒数で区分けされた大量のラジオCMを聴いたときは、なんだか似たものが多いなと思いました。みんなが同じガイドブックで旅をしているみたいな。でもファイナリストまで絞られるとそうでもない感じになったかな。そうだといいなと思います。

    野田 絵美 Emi Noda
    • 博報堂DYメディアパートナーズ
      メディア環境研究所 上席研究員

    オーディエンスの研究者という立場で審査に携わりました。制作者ではない自分が受け入れられるのだろうか?という不安を多少なりとも抱きつつ臨んだ審査会。そこは、権威や格式ばったものはなく、真摯に広告作品と向き合い心から感じたことを議論しあう場でした。「楽しい」「笑える」「胸にグッときた」「あるある!共感」。視覚に縛られないから、自由に想像を膨らませ、声にのった本音・本気まで届く。今回、得点順に発表された審査結果には、その皆が動かされた気持ちの総量が反映されています。
    若者を中心に再び脚光を浴びている音声コンテンツ。音声周りのテクノロジーもめまぐるしい進化を遂げる中、さらに耳を傾けたくなる新しい広告を楽しみにしています。

    橋本 吉史 Yoshifumi Hashimoto
    • TBSラジオ
      プロデューサー

    畠山 侑子 Yuko Hatakeyama
    • 大広WEDO
      コピーライター、プランナー

    声は嘘をつけない。
    古川審査委員長の言葉がまさに響いた2022年でした。
    トップ3は、企画者の「本当のおばあちゃまの声」で地方過疎化と特殊詐欺に警報を鳴らす。過去RCMがやってきた「演じ過ぎている声」に対する「棒読み」というアンチテーゼ。ウクライナの方々を心から想う、日本の日常を話す「身近な声」。昨年との違いは、RCMで「何か」を変えようとしている気概じゃないだろうか。悔やまれるのは、ブロンズ以下にいい作品があったのに持ち上げられなかったこと。審査当日を想像できている仕事は上がっていく。他のラジオCMとあきらかに違う(収録の仕方、演出、ターゲットなど)仕事は、残る。それを逆算して、企画しはじめるのもいいだろう。パイが少ない今こそチャンスの部門。

    春田 凪彩 Nagisa Haruta
    • 電通 第4CRプランニング局
      コピーライター、プランナー

    経験も実力も明らかに足りない自分がいる意味を考えた結果、20代の等身大の感覚で良いと思ったものを選ばせていただきました。話しやすい雰囲気を作ってくださり感謝です。
    個人的に広告業界の好きなところは、一部のセンスの良い人だけが分かるものではなく、一般の感覚で良さ・面白さが分かるものが良いとされている点です。
    内輪ネタになっているものや、時代的にもうそれは笑いにしちゃいけない、など感じたものは意識的に避けさせていただきました。最後はこれからのラジオがこういうもので溢れて欲しい。と思ったものに票を入れました。
    オーディオは聴取環境が広がり、若返っているメディアだと思います。CMも新しい面白さを開拓してきたいです!

    森田 一成 Kazunari Morita
    • ビッグフェイス
      コピーライター、ディレクター

    Aカテ。全体的なレベルは高く、ファイナリストとブロンズ・シルバー・ゴールドとの差がほとんどない印象でした。審査委員の好み次第。リモート審査だと、ノリや面白さ重視のラジオCMはやっぱり不利かなぁ。Bカテは、刺激的でとても楽しかったです。「これはオーディオCMなのか?」と考えさせられる作品が多く、進化を感じました。それに伴い、AカテとBカテの分け方を考え直すべきタイミングかも。Bカテ応募作でもラジオCM的な(Aカテ的な)作りをしているBカテCMは、Aに吸収して審査すべきだと思った。「COTEN RADIO」などの新しいアプローチのものと一緒にBで審査するのは難しいので。そろそろそれを迫られている気がしました。楽しい審査、ありがとうございました!

    山﨑 博司 Hiroshi Yamazaki
    • 博報堂
      クリエイティブディレクター、コピーライター

    1票の重さ。それを、強く実感した審査でした。
    自分が投じる1票でメダルの色が変わる。
    だからこそ自分の中での審査基準を持つことの大切さを実感しました。
    そして、バックグランドが異なる審査委員同士の議論がすばらしく、
    それぞれがラジオやオーディオに対してどう考えているのか、
    投票ごとに順位が変わっていくのがとても刺激的でした。
    結果、受賞された作品は、ギミックよりかは、
    純粋なアイデアの強さや音の可能性に向き合った
    広告が多かったかなと思います。

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  • マーケティング・エフェクティブネス部門
    審査委員長

    簑部 敏彦 Toshihiko Minobe
    • 花王
      作成センター コミュニケーション作成部/コミュニケーション作成部長

    審査が進むごとに甲乙つけがたくて、市場開拓したブランドもあれば地域活性の取組みもあり、また期間もさまざまで、比較が難しいということもあります。ショートリストの最終審査はプレゼン形式で、お話を聞くとますます決めづらくなり、あまりの悩ましさに悶絶します。
    そんななか、課題の見立てやアイデアといったベーシックな審査基準に加えて、僕自身は、熱量や志しも大切にできればと考えています。人や社会がどうあるといいなと願って、それがどんなリザルトをもたらしたのか。
    グランプリのFRIENDLY DOORは、日本での家探しに苦労した事業責任者の方の個人的体験をもとに、住宅弱者に対するパーソナルな想いと企業理念が重なり合ったもの。賛同する不動産会社を集めた実績もさることながら、難民・避難民にも支援の門戸を開くスピードもあって、その姿勢に背筋がピンと伸びる思いがしました。プレゼンでの「いつかFRIENDLY DOORがなくなる世の中になれば」という言葉も印象に残っています。
    審査を通じて素敵な想いに支えられたたくさんの仕事に触れられたこと、また数多くのご応募に感謝します。そして受賞された皆様、おめでとうございます。

    マーケティング・エフェクティブネス部門
    審査委員

    加藤 倫子 Michiko Kato
    • 電通
      コミュニケーションプランナー/PRプランナー

    世の中が複雑化し、ありとあらゆるところでいろいろなことが起きる中で、それでも最後は人間の前向きなエネルギーが社会をリードすることを信じられる審査でした。ME部門は最終的なアウトプットの質はもちろんですが、どちらかというとそのプロジェクトが産まれたプロセスやクライアントのチャレンジに視点が向けられていて、とても正しいと感じる反面、自分たちの仕事の領域である「広告」をもっと拡張していく必要があるということも、改めて強く感じる場でした。クライアントとエージェンシーが垣根なくフラットに意見を交わし、ぶっちゃけた話もできる貴重な場に参加させていただき、本当にありがとうございました。

    北田 有一 Yuichi Kitada
    • 電通
      第1CRプランニング局/クリエーティブ・ディレクター

    黒澤 高次 Koji Kurosawa
    • 博報堂
      クリエイティブコンサルティング局 局長 エグゼクティブクリエイティブディレクター
    • 日本マーケティング協会
      マーケティングマスターコース「コミュニケーションデザイン」講師

    パンデミックが収束しないまま、こんどは大きな戦争が起き、続いて30年以来経験していないインフレ時代の到来、という大シフト下での審査でした。議論の中で「パーパス」という言葉が幾度となく飛び交い、これまでの中心文脈であった事業やブランドのあるべきモデル論から、実践論「誰を幸せにする具体的・仕組み・アイデア・クリエイティブ・活動か?」「経済やモチベーションを回し続けるサステナビリティをもっているか?」というチェックレベルに完全移行した感がありました。上位で評価された作品が共通して示唆するのは、マーケティング効果を得るための最強最善の方法論は、パーパスの勇気ある具現化と継続的な実践にある、ということです。

    佐々木 貴子 Takako Sasaki
    • 博報堂
      第三ブランドトランスフォーメーションクリエイティブ局局長/エグゼクティブクリエイティブディレクター/コピーライター

    どんな時代にあっても「個人の強い思い」こそが事を成し遂げる原動力である、そこにあらためて気づかせてくれたグランプリでした。デジタル化で世の中は便利でシンプルになったかと思えば実は複雑化し、個を発信してみてもみんなが出すから自分の声はすぐ埋もれていく。どうしたらいいかわからないような世の中で、変わらない本質をまっすぐに提示している仕事の強さは規模の大小を問わず心を打つものがあります。まっすぐに見て、まっすぐに考える。あらためてその大切さを感じています。

    楯 美和子 Miwako Tate
    • ローソン
      執行役員/コミュニケーション本部長兼広報部長

    「想いの強さと独自性、これがヒットの秘訣」と、ある敏腕編集者の方に教えて頂いた事があります。今回の審査ではこの言葉を思い出しました。
    グランプリのFRIENDORY DOORには、事業責任者の経験を基にした世の中を変えたいという強い想いと、サイトへの情報の掲載で手数料を取るのではなく、問い合わせで発生させるという独自の仕組みがありました。
    ゴールドの3作品にも、驚きを伝えたい、生まれた町を活性化したい、コロナ下でもメイクをする喜びを届けたい、という想いとユニークな手法がありました。
    マーケティングやクリエイティブには社会を動かす力があり、作り手の強い想いがより良い未来を作っていくのだ、というメッセージを受賞作品から貰いました。

    田中 壮太郎 Sotaro Tanaka
    • ADKクリエイティブ・ワン
      第1クリエイティブ局長 シニアクリエイティブディレクター

    西田 裕美 Hiromi Nishida
    • アクセンチュア
      ビジネスコンサルティング本部 コンサルティンググループ マネジングディレクター

    今年は「マーケティング・エフェクティブネスとは何か」についてこれまで以上に考えさせられた審査会でした。予測が難しい市場環境において、中長期的な社会価値を向上させる活動や、規模の経済を追わずすべての人に手に届く価値を提供する活動など、短期的な財務価値でなく未来のためのマーケティング活動が増えていることが特長的であり、審査の評価が分かれたポイントでもありました。モノ・体験価値を創造するだけでなく、未来・中長期志向で提供価値を生み出し続ける仕組を作っていくことが、マーケティング活動に求められていると感じます。今年エントリー・受賞された素晴らしい活動と関係者の努力が未来の幸せへとつながることを期待しています。

    馬場 直也 Naoya Baba
    • サントリーホールディングス
      宣伝部部長 兼 デジタルマーケティング部部長

    初めて審査をさせて頂いて当部門の「ワクワクする面白さ」と「審査の難しさ」両面を実感しております。新ブランドを上市する、若者に届ける、次のステージに持っていく諸々の難しさも痛いほど分かりますし、地方創生や弱者支援といった社会課題解決にマーケティングの力を活用しているのも本当に素晴らしい。様々な立場の審査委員で議論した際の決め手は「ユーザー視点でのアイディア・新しさ」「紆余曲折・不断の努力の結果としてのリザルト」そして何よりプレゼンでの「担当者の想い・志」あたりだったように思います。
    「LIFEをFULLに」「no more rules」「この街を温めたい」「情熱価格」上位作品はしっかりしたパーパスの下活動されてるのが大変印象的でした。情報が溢れる世の中で、活動までをも規定し加速させる言葉の力って大事ですね。

    平井 秀治 Shuji Hirai
    • ロッテ
      執行役員 マーケティング本部長

    今回審査をしながらふと頭に浮かんだ人物がいます。それは南アフリカの医師アーネスト・ダルコー氏です。彼はアフリカに数千万人のエイズ患者がいることを知り、一人では多くの患者を助けることは出来ないと考えます。ハーバードの医学部で最先端の医学を学んだ彼は、一旦医師の活動を休止してオックスフォード大学で学び直しMBAを取得し、その知識を活かして人を動かし、組織を作り、多くのエイズ患者を救う仕組みを考えました。今回、多くのマーケターがその経験と知識を駆使して、世の中で苦しんでいる人達や現状では解決しきれない様々な課題解決に果敢に挑んだ作品が多く、従来のマーケティングの概念を覆す内容に只々興奮させられました。

    藤本 修二 Shuji Fujimoto
    • 東急エージェンシー
      第1統合ソリューション局第1統合プランニング部 部長 クリエイティブディレクター

    はじめてのME審査。多くの学びがありましたが、その中で印象に残ったのが「PERSONAL PURPOSE」という言葉でした。それはグランプリをとったフレンドリードアの事業責任者キョウ イグンさんの言葉。日本で家探しに苦労した経験から、住宅弱者をなくしたいと決意。仕組みから変えたいと社内で新規事業を立ち上げたそうです。マネタイズの仕方にも工夫があり、日本全国で住宅弱者を救うサービスへと広がっていきました。働く人たちのパーソナルパーパスが原動力になって、素晴らしいアクションを生み出す。それは最後までグランプリを争ったドンキホーテの「情熱価格」も同じでした。ブランドのパーパスと、そのブランドに携わる人のパーパスが合致して、その両輪からブランドのアクションが生み出されていく。そんなブランドがこれからの世の中をステキに変えていくのだと確信した審査になりました。

    細川 万理 Mari Hosokawa
    • ADKクリエイティブ・ワン
      クリエイティブ・ディレクター、コピーライター

    初めて審査を担当させていただきました。私自身、コミュニケーションのアイデアや効果に注目しがちだったのですが、他の審査委員の方々との議論を通じて、流通や物流、価格戦略や企業のバックグラウンドなど、「マーケティングを多角的にとらえた上でのエフェクティブネスとは何か」という、この部門ならではの視点に気づかされ、目から鱗の連続でした。「FRIENDRY DOOR」に象徴されるように、パーソナルパーパスを実現しようとする熱意がブレない施策を生み、組織を、世の中を、そして未来を動かしていくという点、自分にとってのパーパスとは何だろう、と考えさせられるとても意義深い時間でした。

    堀内 有為子 Yuiko Horiuchi
    • 東急エージェンシー
      第2統合ソリューション局第3クリエイティブ部部長

    事業責任者であるキョウさんの人生をかけた取り組み「FRENDLY DOOR」。キョウさん自身もかつて直面した「住宅弱者」という社会問題を解決するために、ライフルホームズに入社し、立ち上げたプロジェクトです。パーソナルパーパスとブランドパーパスが重なった取組なのだという真っすぐなプレゼンに圧倒されました。新しいビジネスモデルや緻密な戦略は、細部まで血が通っていて脈打つような力強さ。98作品を1人でジャッジする1次審査。審査委員みんなで通過した35作品から10作品に絞る2次審査。ファイナリスト10作品の公開プレゼンテーション。すべての過程で担当者の熱意とマーケティングの今を体感することができました。

    宮園 香代子 Kayoko Miyazono
    • ソフトバンク
      東日本エリア営業本部 本部長

    今年で3回目のME審査委員でしたが、今年の審査が一番悩みました。一次審査からファイナリスト、グランプリまでどこを切ってもどれもこれもピリリと味のあるものばかりで、それぞれの企画の持つ良さや効果を並べて比較するのが本当に難しかったです。
    伝わってきたのは、企業が自社のブランドや商品、立ち位置を明確に認識して、その利用者や顧客や住人をちゃんと真ん中に置き、そこにいる人と真面目にどう向き合っていくのか考え尽くして丁寧に取り組んでいる各社の姿勢。そういう企画はやっぱり効果にもつながるし、強かったなと思います。
    受賞された各社のみなさま、おめでとうございます!

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  • ブランデッド・コミュニケーション部門
    審査委員長

    橋田 和明 Kazuaki Hashida
    • HASHI
      クリエイティブディレクター

    ブランドや社会の課題に真摯に向き合っている仕事を、多様なカテゴリーを持つことで多様な視点から、新しいクリエイティビティを発掘するのがこのブランデッド・コミュニケーション部門。今年は4カテゴリー全てにグランプリが与えられました。

    Aカテゴリーでは、「猫」という飾らないシンプルな答えで、日本の3Dビジョン媒体の新しい「お手本」を作り上げた、「新宿東口の猫 / GIANT 3D CAT」がグランプリに。
    Bカテゴリーでは、「COTEN RADIO」が自社に眠る歴史データベースを自ら音声コンテンツに昇華し、それ自体がプロモーションになっているという美しい解法を見せてくれました。
    Cカテゴリーは、「静岡市プラモデル化計画」。静岡市の伝統資産であるプラモに着目し、非言語でグローバルにも共感される新たな観光資産をつくりあげました。
    Dカテゴリーでは、「GEKIAWA THE STRONG」がグランプリとなり、1つの動画に対するソーシャル・インフルーエンスするための圧倒的熱量がこもった美しい設計で、ソーシャル時代の動画の作り方の地平を広げてくれました。

    続いている世の中の不安に対して、クリエイティビティが何ができるか、という大きな問いに対しては、そのものを解きにいくのではなく、受賞した作品たちのように、まずは我々の目の前の仕事から答えが生まれてくるものではないでしょうか。ブランドや社会に対して真摯に向き合う態度そのものが、我々の業界の強みなんだと思います。

    ブランデッド・コミュニケーション部門
    審査委員

    飯田 訓子 Satoko Iida
    • Wunderman Thompson Tokyo
      Associate Creative Director

    型にはまらない、それぞれに素晴らしい価値のある仕事が多数応募される「ブランデッド・コミュニケーション部門」。その多様な仕事を、さまざまなバックグラウンドを持つ審査委員が、多様な角度で丁寧に議論しつくした審査会。これまでの広告の枠を超えていく新しい可能性をたくさん見ることができました。コミュニケーションの可能性や領域がテクノロジーやデータなどを使うことで、どんどん拡張している今、改めて自分たちの仕事がどうあるべきかを考えさせられました。

    イム ジョンホ Jeong-ho Im
    • mount
      CEO、クリエイティブ・ディレクター

    受賞者の皆さま、おめでとうございます。

    5回目のブランデッド・コミュニケーション部門の審査でした。毎年、白熱する議論を目の当たりにするたびに、この賞の価値をより強く感じています。日本の広告に関わるものとして、このような場が、文化が、これからもずっと続いていくことを願っています。

    大八木 翼 Tsubasa Oyagi
    • SIXパートナー、バスキュール執行役員
      エグゼクティブ・クリエイティブディレクター

    尾上 永晃 Noriaki Onoe
    • 電通
      プランナー

    加我 俊介 Shunsuke Kaga
    • 電通
      クリエーティブディレクター、コミュニケーションプランナー

    初めて審査に参加させていただきましたが。

    部門間の線引き、マーケティングとコンテンツの線引き等、
    あらゆる境界線を軽やかに超える素晴らしい応募作品ばかりで。

    審査している自分たちが、
    「あなたならこの作品をどう評価しますか?この作品を評価できますか??」
    と、逆に審査されている、常に試されているようで、とてつもなく疲れました。

    ただ、同時に、とてつもなく刺激をもらいました。

    いち制作者として、常に新しいものをと向き合ってきたつもりですが、
    そんな自分も知らず知らずのうちに「型」にはまっていることに改めて気づかされました。

    受賞者のみなさまおめでとうございました。
    そして、ありがとうございました。

    木下 舞耶 Maiya Kinoshita
    • TBWA\Media Arts Lab
    • クリエイティブディレクター

    受賞された方々おめでとうございます。そして応募されたすべての皆様、お疲れ様でした。ACCアワードを盛り上げてくれる立役者は、忙しい日々の業務の合間にアワードの応募作業に尽力していただける皆様のおかげです。ありがとうございます。
    今回は、初めての審査会の参加でした。「これすごくいいけど、どう評価するの?広告なの?コンテンツなの?ビジネスなの?」ーこんな議論が飛び交うのはBC部門ならでは。審査委員を悩ませるエントリーが多いのは、日本の広告業界が進化している証拠ですね。審査委員はしんどいけど。グランプリやゴールドの作品からは、新しさや卓越したクラフトだけでなく、たくさんの愛・情熱・根気が注がれた凄みを感じました。来年も、審査委員を悩ませるエントリー、楽しみにしています。

    栗林 和明 Kazuaki Kuribayashi
    • CHOCOLATE
      取締役、Chief Content Officer

    今年のブランデッドコミュニケーション部門で最も熱い議論は、「これは広告として認めるべきかどうか」というポイントだったように感じる。
    広告主と制作者が同一の場合はどうなのか。完全にコンテンツとコミュニケーションが一体化しているものはどう捉えるべきか。
    その境界が溶けあい、いい意味で得体の知れないものが増え、それを審査委員たちがどのように捉えるかによって、
    今後のこの業界に大きな影響を与えねない議論が多発していた。この議論こそが、希望であり可能性だと思う。
    もっともっと得体の知れないものが増え、広告というものの領域が広がっていくことが、新しい未来につながるように感じる。

    小島 翔太 Shota Kojima
    • 博報堂
      クリエイティブディレクター、
    • CREATIVE TABLE 最高 チームリーダー

    去年よりも広くなった会場で、今年も多様な審査委員での熱い議論が繰り広げられました。
    文句なしに圧倒的に強いという施策があまりなく、どのカテゴリも激戦だったように感じます。
    ACCとして審査するべきものなのか、どういった視点で評価するべきなのかという、賞の定義を問いかけるような議論もあり、今後ますますこの賞の可能性やクリエイティビティが広がって、ポジティブな仕事が世の中に増えていくことを祈っています。

    重ね重ね、これだけの議論を経て受賞する仕事はどれも素晴らしいです。
    受賞した皆様、本当におめでとうございます。

    坂田 ミギー Miggy Sakata
    • こたつ/共同CEO
    • SHIFT 80/代表、クリエイティブディレクター、社会活動家

    まだまだ男性優位文化の広告業界において、審査委員の男女比を約半々にしてくれたことに強い希望を感じました。選んでくれた橋田審査委員長に、心からの敬意と感謝を捧げます。
    終始「ほめる」ことをたいせつにしている審査が貫かれ、感動する場面がいくつもありました。審査委員たちの視座の高さ、視点の新しさ、発見の鮮やかさにハッとすること数えきれず。広告を愛する仲間たちと出かけた、いいところを見つけまくる旅は、最高におもしろかったです。
    クリエイティブが社会に貢献できることは、もっとたくさんある!と確信できました。応募してくださったみなさん、ありがとうございます。これからも一緒にがんばりましょう。

    嶋野 裕介 Yusuke Shimano
    • 電通
      zero クリエーティブ・ディレクター、PRディレクター

    “昔ながらの広告”っぽくないものが全部集まるのがBC部門の審査。でも今年は拡大・拡張し続ける応募作をどう評価するかを、審査委員みんなで議論できたのが楽しかったです。「新宿東口の猫」「ブルーハムハム」「6秒商店」「社長のおごり自販機」など、サービス自体がコミュニケーションになっているものから、「COTEN RADIO」のような新しい形のブランドプロモーションまで、これまでの仕事の領域を突き抜けた応募作の輝きは、広告技術の展開可能性を感じさせてくれました。一方で、実際の多くの仕事を占める“広告コミュニケーション”においても新しい手法がどんどん生まれていました。この仕事の楽しさと素晴らしさが詰まった審査であり、結果だったと思います。

    菅野 薫 Kaoru Sugano
    • クリエーティブ・ディレクター・コレクティブ
    • (つづく)/Creative Director
    • Dentsu Craft Tokyo/Head of Creative、
    • Executive Creative Director
    • Qosmo/社外取締役、
    • Executive Creative Director

    ブランド・コミュニケーション部門が始まって5年目。広告業界の素晴らしい仕事でまだ褒められていない、正しくその価値が理解されていないアイディアを積極的に発見し、誉める「その他」部門として始まったこの部門が、既に広告業界で一番才能が集まり、動向が意識されている真ん中の領域のひとつになってきているのかもしれない。真ん中には必ずカウンターが現れる。新しいことは周辺や越境から生まれる。いつか真ん中になることになる次のその他を拾うためにACCも変わり続ける必要があると感じています。

    関戸 貴美子 Kimiko Sekido
    • 電通
      アートディレクター、グラフィックデザイナー

    ブランデッド・コミュニケーション部門は、カテゴリーにこだわらず褒める方法を探すという思いのもと、4カテゴリーの審査を行いました。受賞した作品たちには、ブランドや社会に対して真摯に向き合いコミュニティ内にとどまらずストーリーに共感させるパワーのある視点とアプローチに目を惹かれました。広告というジャンルの境界線が曖昧になるなかで、人の感情や行動を動かすクリエイティビティの可能性を改めて感じることのできる審査会でした。勉強になりました。ありがとうございました。

    財田 恵里 Eri Takarada
    • 博報堂
      PRディレクター

    今年のブランデッド部門は、クリエイティビティの「越境」を色濃く感じました。習慣やカルチャーを作ることに留まらず、「広告」の枠組みさえも超えて「事業」や「サービス」をクリエイティブの力で生み出した仕事や、4カテゴリーでは足りない!と感じさせるくらいの規格外のものに出会うことができました。その中にあっても、 “時代を捉えたメッセージを纏い、人をそして社会を動かす”こと。この目的だけは全ての仕事に共通しており、この部門の本質であると改めて感じました。ブランデッドは「今」を照らし、クリエイティブの「兆し」を示す部門だからこそ、いずれこの部門自体が「越境」しちゃうかも?と予感しています。

    細田 高広 Takahiro Hosoda
    • TBWA\HAKUHODO
      Chief Creative Officer

    カテゴリーの基準があるからこそ評価できるものがある。その反面、基準が明快になるほど評価できなくなってしまうものもある。枠からはみ出した発想をどのように見つけて讃えるべきか。そんなBC部門らしい葛藤が審査時間を長くした。「目的を持たない表現を広告と呼べるのか?」「アイデアが商品に内在するとき、それを広告的に評価できるのか?」「やっぱり猫に頼るのは安易なのか?」…。深夜が近づく。眠い。つらい。腰も痛い。けれども、広告の「際」をめぐる議論はやっぱり面白くて止められない。広告賞の常として、結果には賛否両論がつきまとうが、今回の審査委員は説明責任を果たせると思う。審査会場の熱が広く外側に広がっていくことを願っている。

    三浦 崇宏 Takahiro Miura
    • The Breakthrough Company GO
      代表取締役、PR、CreativeDirector

    広告はオワコンだという人がいる。広告賞はクソだという人がいる。広告代理店はクソだという人もいる。全部言わせておけばいい。大丈夫だよ。受賞した仕事の一つ一つをちゃんと見てくれ。何の心配もいらない。メディアを売り買いするだけの仕事や、クライアントに媚びるだけの代理業者はいなくなるかもしれない。広告の仕事を作品と呼ぶ人のことはおれもどうかと思う。しかし、社会の課題・企業の課題・生活者の課題をアイディアで解決するこの仕事の地平は未だ無限に広がっている。次はあなたがその地平を広げてくれ。おれもやるよ。

    南 麻理江 Marie Minami
    • 編集者
    • 湯気/代表取締役

    丸二日間、朝から晩まで白熱した議論が展開され、「去年でもなく、来年でもなく、今年だから意味があった」という作品にたくさん出会うことができました。
    出口が見えるようで見えない新型コロナ禍、ウクライナ危機、物価上昇、Web3に代表されるインターネットの再定義…、時を読むクリエイティブが正当に評価されたと思います。

    また、アワードの存在意義や使命についての議論が今年も活発に行われました。
    業界(生態系)全体の健全性やチャレンジ精神を高めることで、個々の作品がより輝きやすい状態に持っていけるといいなと感じました。

    貴重な気づきをありがとうございます。橋田審査委員長と皆様に感謝いたします。

    村上 絵美 Emi Murakami
    • ADKクリエイティブ・ワン
      クリエイティブディレクター、アートディレクター

    昨年から審査に参加させていただき、昨年印象的だったのはカテゴリーの定義について「BとCの違いは?」「この作品はCよりBで評価すべきでは?」などの熱い議論が交わされたことでした。今年も当然その壁が立ちはだかりましたが、そこはさすが第一線の方々が集まる審査会。「今年はブランデッド・コミュニケーションという大きなカテゴリーの中で素晴らしいと思う作品を評価するのでもよいのでは」という意見が出たことで、より柔軟な視点で審査が行われた中での入賞作品ですので、昨年とはまた違ったバラエティにとんだラインナップになっていると思います。入賞された皆様、おめでとうございました!

    李 心寧 Shiny Lee
    • Whatever Taipei
      Creative Director

    海外アワードの審査は何回か経験がありますが、今回初めて日本のACC賞の審査会に参加させていただきました。橋田審査委員長が率いる審査団の皆さんと二日間にわたって議論を重ね、一つ一つの作品に丁寧に向き合いました。CM だけではなく、子育てを応援する子供服ブランド『アルトタスカル』や、若者に投票を呼び掛けるプロジェクト『VOICE PROJECT』など、エントリー作品の多様性とクオリティに驚きました。そして、『静岡市プラモデル化計画』や『新宿東口の猫』といった言語の壁を超える作品にも大きな可能性を感じました。受賞した作品を通し、クリエイティビティの素晴らしさと力強さを再発見していただければ幸いです。

    湧川 晶子 Masako Wakigawa
    • 博報堂
      クリエイティブディレクター、プランナー

    丸々2日間、こんなに議論するのか!と驚くほどの、熱い審査会でした。
    特に印象的だったのは「COTEN RADIO」や「ブルーハムハム」など従来の枠組では捉えられない作品です。数多のコンテンツが生み出され続けるいま、研ぎ澄まされたブランデッドコミュニケーションはもはや広告から生まれるのではなく、ブランド/コンテンツや事業そのものになっていくのかもしれないと強く感じました。
    一方、それがどんな枠組であれ、クラフトの熱量や鮮やかなアイデアなど、心を動かすために必要な本質は変わらない、ということに気づく結果でもありました。
    変わっていく環境と変わらない本質の間で、私たちは次にどんな仕事ができるのか。そんなことを問われているような審査でした。

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  • デザイン部門
    審査委員長

    太刀川 英輔 Eisuke Tachikawa
    • NOSIGNER CEO
    • JIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会) 理事長
    • 進化思考提唱者
    • 2025大阪関西万博日本館基本構想クリエイター

    社会や未来を変える可能性がある、心から僕らが応援したいデザインプロジェクトを選ぼう。この賞は評価のためではなく、そのデザインの運動を応援するためにあるのだから。そんな基準で審査に向き合った。
    デザインクオリティの高さ、社会への現在進行形のインパクト、過去からの文脈への接続、未来に広がる期待値。どれが欠けてもプロジェクトは弱くなる。そして基準はせめぎあい、簡単に排反する。
    審査委員一人ひとりの中でも、何に重きを置くかのバランスは違った。そこに正解はないし、それがデザインを評価すること、なのだと思う。
    だから私たちは審査において、賞の目的の対話を重要視した。そして当日はそれぞれの基準をさらけ出して対話を重ねると、案外にすんなりと受賞作が決まった。

    受賞作品を俯瞰して思うのは、大きな会社もスタートアップも、自分たちの手元から社会に可能性と変化を発信するのが当然の姿勢になりつつあることだ。これはデザインの希望ある変化だ。
    同時に感じたのは様々なセクターにとってのデザインという手段のポテンシャルだった。選ばれた作品がそれぞれのセクターの中で、デザインという道具を活かした希望ある変化の旗印となってくれることを願っている。

    デザイン部門
    審査委員

    川村 真司 Masashi Kawamura
    • Whatever/Chief Creative Officer、Co-Founder
    • WTFC/Chief Creative Officer

    審査委員長が永井さんから太刀川さんに変わり、新たな審査委員の方々も交えて益々進化した審査会だったのではないかなと思いました。「議論をする審査会にしたい」という太刀川さんの言葉にあったように、以前よりもさらに深く議論が行われる審査会となった気がしていて、参加した身としてもさまざまな視点を聞くことができとても刺激的でした。その過程において、「デザイン」という概念をどう捉え、どういった作品を募集し評価したいのかという点について、もう少しACCサイドから提示していかないと応募作と審査の論点がずれていってしまうのではといった課題も見えてきたので、その辺りが次の進化ポイントになるのではないかと感じています。

    小玉 文 Aya Codama
    • BULLET/代表
      アートディレクター、デザイナー

    おそらく「デザイン部門」の審査が、今年のACC審査会の中でいちばん尖っていたのでは!?
    と思える、熱い審査会だった。
    「心から応援したいデザインプロジェクトを選ぼう」という太刀川委員長の言葉が、芯となっていた。

    「デザイン」という言葉はとても幅が広い。私が普段の仕事で取り組んでいるのは主にグラフィックデザインの分野だが、今回の審査ではデザインの技巧ではなく、プロジェクトとしての「純粋さ」が評価されたように思う。
    一生懸命心を込めて書かれた手紙に心打たれたような気持ちだ。

    いちグラフィックデザイナーとして、私も魅力的なプロジェクトを「伝えられる」デザインをしたい。そんな決意を新たににさせられた。

    武部 貴則 Takanori Takebe
    • 横浜市立大学 先端医科学研究センター
    • コミュニケーション・デザイン・センター長

    私が頻繁に関わる審査といえば、科学技術に関わる学術論文の審査がある。審査で重要なのは、ストーリーだ。①新規性や進歩性、②裏付けとなる客観的事実、③将来のインパクトなどの主張を、如何に美しく、一筋のストーリーで語れるかが、勝敗を分ける。驚いたことに、ACCの審査過程でもほとんど同じ様な思考過程が評価に重要となった。但し、①や②についてはブレが少ないのに、③については、審査委員間の主観でばらつきがある点は、科学的評価とは大きく異なっていた。最後は合議によって、ブレを調整することで順位が決まったが、一定のレベルに到達している作品は、少なくとも誰かが将来の可能性を感じていた。翻ってみると、普遍的価値のみならず、誰か一人でも、感動や共感を得る大切さ、デザインの素敵な側面を感じ、改めて学びの多い一日となった。

    原田 祐馬 Yuma Harada
    • UMA/design farm/代表
    • どく社/共同代表

    ムラカミ カイエ Kaie Murakami
    • SIMONE
      CREATIVE DIRECTOR

    この部門の審査も3年目。今年はイノベーションといえる作品は少なかったけれど、小さな幸せを産むものから大きな社会インパクトを与えるものまで、できることから世の中を少しづつでも良くしていこう。という作り手の当事者意識、社会対峙性を強く感じられるエントリーが多く見られました。一見、ズンッとした重みを感じる名称の部門だけれど、そもそも僕らの生活空間は大小様々なデザインから成り立っているし、社会や価値観が目まぐるしく変わるいま、そういった身近なモノコトの変化について考えられることに大きな意義を感じている。また、この部門のコンセプトにはバックドアがあって、専門的に学んだ人でなくとも、そのVISIONや志の持ち方次第で、誰でもデザインに参加できるということを暗示している。来年も多くのエントリーを期待しています。

    山崎 晴太郎 Seitaro Yamazaki
    • セイタロウデザイン/代表、アートディレクター、デザイナー
    • JMC/取締役兼CDO(Chief Design Officer)
    • プラゴ/Founder、CDO

    今年からデザイン部門審査委員がまるっと新体制の中、初めてACCの審査委員を務めさせていただきました。このデザイン部門は、今の時代に求められるプロジェクトを広義に評価する部門とあって、審査会の議論も非常にユニークなものになりました。表層的なデザインの美しさが評価の中心ではなく、今後の社会を形作るための視座や事業の継続性、社会的なインパクトなどを考慮したプロジェクトが高い評価を受けた印象があります。
    「我々は、事業を審査しているのか、デザインを審査しているのか。」そんな言葉がこのデザイン部門の審査会でかわされたのは、非常に印象的でした。デザインが寄与できる社会づくりに向けて、今後も多くの素敵なプロジェクトが出てくること楽しみにしています。

    ライラ カセム Laila Cassim
    • シブヤフォント/アートディレクター
    • 東京大学「共生のための国際哲学研究センター」(UTCP) /特任研究員

    皆さんといっぱい話や議論ができて楽しい思い出しかありません。審査のプロセスの中でこれが可か非かの即決的な判断はありませんでした。しっかりと審査の判断基準や方向性を共有してから審査委員それぞれの作品に目を通し、考えをまとめ話をし、グループとしてそれぞれの決断を検討しました。議論と考察は、いくつかの段階を経て丁寧でした。コマーシャルからソーシャル医療の現場までさまざまな分野の専門性の方が審査委員として参加し、非常にバランスのとれた受賞作品のラインアップが選抜できたのではないかと思います。

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  • メディアクリエイティブ部門 審査委員長

    中谷 弥生 Yayoi Nakatani
    • TBSテレビ
      取締役

    3年ぶりのリアル開催に、大盛り上がりの審査会でした。
    「この作品をグランプリに決めた時に、我々審査委員はどういう説明をするのか今一度考えるべきだ!」
    1人の審査委員からの言葉に、悩みぬいて決めたグランプリ作品です。
    「あの夜を覚えてる」はラジオを舞台とした「生配信舞台演劇ドラマ」で、17台のカメラで追いかけた「生ドラマ」です。5,800円の配信チケットが23,000枚も売れ、「ラジオ好き」がTwitterトレンド入り、リスナーも参加する現実とフィクションが入り混じるコンテンツは「ラジオ」というメディアのブランディングを高めました。
    又、「マキシマム ザ ホルモン」はファンが経営する個人商店を新たにメディアにするという、ファンコミニュティ=メディアの新しさがありました。
    その他にも、「動き続けるQRコード」や、「Zoom」をメディア化したり、毎年、「仕掛けが素晴らしく進化し続けている!」というのが実感です。クリエイターの皆様、ご応募ありがとうございました!

    メディアクリエイティブ部門 審査委員

    石井 玄 Hikaru Ishii
    • ニッポン放送
      エンターテインメント開発部 プロデューサー

    初めてACC賞の審査委員をご依頼いただいた時、(誠に不勉強かつ無知な自分を恥じたのですが)どういった賞なのか、理解しておりませんでした。しかしながら、ネットで検索し、知り合いにACCの話を聞き、何より他の審査委員の方々のお名前を聞いて、どれほど光栄なことかと、のちに理解いたしました。ACCと聞いて弊社ニッポン放送の番組「ANN(オールナイトニッポン)に字面が似ているな」としか思えなかった私なんかが、僭越ながら審査させていただきましたが、各作品を見ていくうちに「日本にはこんなにも面白い企画があるのか!!」と驚愕しました。今後の日本のエンタメ業界は明るいと勝手に確信しております。皆さん、安心して下さい。大丈夫です。これからもっと面白いものが生み出されていきます。
    ラジオ業界という閉ざされた世界にいる自分には想像つかないモノばかりで、企画の応募シートと動画を見ているだけで、ずっと楽しかったです。それから実際に、他の審査委員の方と作品についてお話しさせていただき、色んな視点の話を聞いて、自分でも発言することで、知見がみるみるうちに溜まっていきました。この知見を活かし、自分の今後の企画に活かしていきたい、そして、今回出会えた審査委員の方や、応募した作品を考えた方と一緒に仕事をしてみたいと強く願っています。ACCに参加出来て、本当に良かったです。"

    榊原 誠志 Seiji Sakakibara
    • テレビ朝日
      ビジネスソリューション本部セールスプロモーション局次長
      兼ソリューション推進部長

    昨年に引き続き審査委員をさせて頂きました。メディアクリエイティブ部門はある意味自由度の高い審査でメディアの可能性を様々な個性豊かな審査委員と議論できるとても刺激的な時間でした。今年はポッドキャストを利用したラジオやコミュニティコンテンツに対する熱量の高い作品にチカラを感じました。グランプリの「あの夜を覚えてる」をはじめ「COTEN RADIO」「マキシム ザ ホルモン」などコンテンツやアーティストに対して個人的な強烈なリスペクトをポッドキャストやSNSを通じて共感し拡散する。マスメディアに携わる私として改めて考えさせる熱い作品でした。今年もやっぱり面白かったです。エントリーして頂いた皆さま本当にありがとうございました。

    関 龍太郎 Ryutaro Seki
    • Google Japan
      Creative Works / Creative Director

    ある調査によると2017年時点で人は1日に無意識下も含め
    約400万件にも及ぶ広告コミュニケーションに触れているといいます。
    1日24時間、限られた時間の中でいかに人々の記憶に残ることができるかが、
    現代のマーケティングにおける大きな課題です。
    デバイスの普及、ネットワークスピードの向上、メディアの多様化が進み、
    入れ物と中身を切り離して考えることはもはや不可能。
    中身だけ、プラットフォームが面白いだけ、では生活者の記憶に残るのは難しい時代です。

    今回の審査では、メディアの選定と企画をうまく組み合わせた上で、
    課題を明確化していくことの重要さと、クリエイティブの可能性を改めて感じさせてもらいました。たくさんの作品に触れることができ、貴重な体験に感謝します。

    瀧川 千智 Chisato Takigawa
    • 博報堂DYメディアパートナーズ/新聞雑誌局アカウント推進部 メディアプロデューサー、メディア環境研究所 上席研究員
    • 博報堂キャリジョ研

    受賞した作品はどれもアッチアチの「熱量」を感じられる素晴らしいものばかり。
    オールナイトニッポンの「あの夜を覚えてる」は、時代的に順風とはいえないラジオ業界が、ラジオだからこそ持っている、作り手とファンの燃えたぎる「熱量」を結集させた感動大作。ほかにも「マキシマム・ザ・ホルモン」などのアーティストたちがファンを想って社会課題に向き合ったり、受賞はなかったものの女性の社会課題に真摯に取り組む作品も多かったり。「毎日新聞のAIラッパー」は学生たちの思いに涙がでました。総じて、ファンの「熱量」、社会課題に取り組む「熱量」が今年のキーワード。これから自分も熱量をもって向き合っている出版業界とお仕事をつくりたいと勇気をいただきました!

    永田 佑子 Yuko Nagata
    • Zホールディングス/執行役員
    • ヤフー/マーケティング統括本部長

    メディアクリエイティブとはなんぞや。その解はないのだろうと思います。ただ我々審査委員はノミネートされた各作品がその壮大な大喜利に真摯に取り組んだ軌跡を想像し、辿りながら、真剣に審査させていただきました。個人でじっくり各作品と向き合う時間も、また他審査委員とお互いの解釈を交わす過程も、大変勉強になりました。ひとえに多数の素晴らしいエントリーに恵まれたからだと思います。ありがとうございました。

    入賞作品に共通しているのは「愛」ですね。
    やっぱ「愛」なのか、と。そう思いました。
    ただ目新しい技術だったり、奇抜なアイデアだったり、手法が先にくるのではなく、制作物に対する愛、それを消費/視聴してくれる方々への愛など、関わるスタッフが深い愛情をもって工夫を凝らした結果、素晴らしいクリエイティビティが生まれた、そんな作品が入賞したと思います。

    よし、私も明日から愛をもって精進するぞ!今はそんな気持ちです。

    波多野 玲奈 Rena Hatano
    • NTTドコモ
      ブランドコミュニケーション部
      コーポレートブランド
      コミュニケーション担当主査

    各メディアやマーケティングのプロの方と一緒に初めて審査委員を務めさせていただきました。審査会当日も様々な視点から飛び交うディスカッションに驚きと発見の連続でしたが、ここ最近で一番ワクワクした時間でした。
    今年はメディアクリエイティブ部門で110点の直近5年間で最多の応募数があり、その分だけ審査委員も悩みました。「これはメディアなのか?PRなのでは?課題解決はできているのか?」などの議論もありましたが、受賞された作品には作り手の熱量に比例するだけの人を動かす力が溢れていました。日々変化のある中で、上手くモーメントを捉え、更なる付加価値を生み出していくことが改めて大切な事と実感しました。

    平井 孝昌 Takamasa Hirai
    • ADKマーケティング・ソリューションズ
      エクスペリエンス・デザインセンター バーティカル・プランニング・ディレクター

    審査委員が事業会社、メディア会社、そして広告会社に分かれているため、三者三様の審査のディスカッションが興味深かったです。また「メディア」も、メディアビジネスの新しい捉え方と、そもそもメディアを作り出すというアイデアにも分かれる傾向にもあり、その点でも白熱する議論になりました。
    今年はワンアイデア、ワンテクノロジーで解決するプロジェクトではなく、熱意や才能にあふれた人々が集い、創出されたプロジェクトが選ばれた気がします。メディアとは人を惹きつけるものでありますが、そういった真の意味で「メディアとは何か?」を考えることができたのが私にとっても良い経験になりました。
    今年も多くのエントリーが集まったことに感謝と敬意を表したいと思います。

    前田 淳子 Junko Maeda
    • 電通
      ソリューションクリエーションセンター エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター

    2年目の審査会。自分とは違う視点と考察力を持った方々とのセッション。今年も多いに学びと刺激をいただきました。3年目のコロナ生活。人々が後ろ向きになりがちな日々に月並みな言い方ですが、元気になったり、人の温もりを感じられる作品が評価を得ていたと感じました。広告がもつ役割とは何か。ただ売らんかなではなく触れた人の気持ちを少しでも柔らかく、優しくできる企画を構築、実行していくことができたら。そう改めて思える素敵な作品に多く出会えて、幸せな審査時間でした。

    宮道 治朗 Jiro Miyamichi
    • フジテレビジョン
      編成制作局 アナウンス室 局長職 兼 室長

    昨年も感じましたが、エントリー作品群は時代を見事に反映していて非常に面白かったです。発想の転換やテクノロジーを駆使したものなど、新しいイメージを打ち出したいクライアントや従来の手法から抜け出そう!今までに無い発明を!ともがく企画者・クリエイターたちの挑戦に満ちていました。みんな同じ夢や苦しみの中にいるのだなととても共感しながら審査させて頂きました(笑)
    そんな中で心に刺さるのはやはり「体温」を感じるものだなと。審査している間、「好き」「仲間」「情熱」といった言葉に変換された、送り手たちの純粋な体温が私たちに伝播するのを感じていました。グランプリとゴールドの3作品には共通してそれらがあったと思っています。

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  • クリエイティブイノベーション部門
    審査委員長

    中村 洋基 Hiroki Nakamura
    • PARTY Creative Director / Founder
    • ヤフー メディアカンパニーMS統括本部 ECD
    • 電通デジタル客員ECD
    • combo 代表取締役

    「この部門は化ける!」
    おととし予言したこのセリフが、事実になってきました。
    ACCの中で唯一、広告・マーケの枠を飛び越えてピュアに「イノベーション」に向き合う部門です。
    今年はスタートアップ、大企業のイノベーション、研究開発に軸を絞り、ふさわしい豪華な審査委員に入ってもらいました。また、なるたけ多くの受賞者を出すため、「パートナーズ賞」を創設した結果、応募数は、昨年比144%になりました。
    審査でおもしろいのは「事業性をどう見るか?」です。スタートアップのピッチイベントではないので、右肩上がりのグラフは不要。しかし、世に根づくためには斬新さだけではなく、ビジネスも必要。結果、多角的な視野から「新しい!好き!世に根づく!」を突き詰めた、どこにもないオリジナリティを持つ賞になっていると自負しています。
    ぼくの目からウロコが落ちたのは、審査委員との共創。例えばプロトタイプは「つくってみた」止まりのものだったりします。そこに審査委員の「こう見ると可能性に満ちている」という視点があり、受賞に上り詰めた作品がけっこうあります。
    個人的に心に残った名言は、西野さんの「あえて不便をつくることでコミュニティは活性化する」かな。どの作品への発言かわかったら、ぜひDMください!

    クリエイティブイノベーション部門 審査委員

    木嵜 綾奈 Ayana Kizaki
    • NewsPicks Studios
      取締役 チーフプロデューサー

    クリエイティブ・イノベーション部門の審査をさせて頂きましたが.ここまで脳がパンクするほどエネルギーを使い、本気の審査をしたのは、久しぶりでした。一人の意見で決まりかけていたことが変わったり、ロジックでは語れない部分があったり。審査委員の主観と経験から、まったく異なる景色が見えたり。正解のないクリエイティビティの面白さを改めて認識しました。ここから数多くのサービスが羽ばたいていく、その第一歩に立ち会えて幸せです。ありがとうございました。

    後藤 萌 Moe Goto
    • WOW
      プランナー

    広告というものは大抵、世に出したその瞬間に評価が決まります。
    表現としてあとから「実はすごかった」と言われることも(たぶん)ありますが、その時々の社会においてどのように受け入れられたかが、必ずついて回るのが宿命です。そう思いながら日々、広告の仕事をしています。

    けれどACCという広告を評価するこのアワードの中で唯一、CI部門に出品された作品は「評価がすぐには定まらない」ものだと思っています。今は評価が難しいけれど数年後にじわじわと世界を変えていくもの、逆に今は脚光を浴びているけれど数年も経たずに廃れていくもの。
    審査する側にとってはそういった難しさのある部門ですが、応募する方々には肩の力を抜いて、自身のビジョンを信じ続けて欲しい部門だと思っています。
    受賞者のみなさま、おめでとうございます。

    笹原 優子 Yuko Sasahara
    • NTTドコモ・ベンチャーズ
      代表取締役社長

    その名の通り創造的で新たな切り口で作られたプロダクトやプロトタイプをたくさんエントリーいただきました。審査委員もそれぞれのバックグラウンドからくる切り口で応募された作品の魅力を語り、時に自分が創ったかのような熱をもって議論していきました。
    印象的だったのは、自分にとって、社会や企業にとって、ときにはおかんにとってどれだけ役立つか、社会に根付いていくかの手触り感を話したことです。社会に根付くには課題解決にプラスして、いかに楽しく、ワクッとするか、「使いたい」と持ち上げられる仕掛けの大切さを改めて感じました。
    最終は審査ではなくエントリーした皆様と委員がアイデア重ねる共創の場になるとさらに面白いかも!

    千葉 功太郎 Kotaro Chiba
    • DRONE FUND代表パートナー
      千葉道場ファンド ジェネラルパートナー
    • 慶應義塾大学SFC特別招聘教授

    各審査委員の皆様がそれぞれの個性を出し合い、かつここまで意見をぶつけあう審査会はとても学びになると同時にACCという歴史ある賞を担当させて頂いた事を嬉しく思います。
    全てのノミネートされた作品に「その発想があったか!」とううなされるものばかりで、「スタートアップ」的な発想やスタートアップがより世の中に増えていくことでもっともっと便利な世の中になっていく事を期待しています。

    天畠 カルナ Karuna Tembata
    • 博報堂
      生活者エクスペリエンスクリエイティブ局/デザイナー

    「ビッグアイデア」ってなんだろう?「テクノロジー」ってなんだろう?
    審査をする中で、私自身もとても考えさせられました。様々なバックグラウンドを持つ審査委員の方々の多角的な視点が、いい意味でその意味を流動的に変化させながら、作品に対する理解が深まっていったように思います。だからこそ、様々な捉え方はあれど、胸を張って、責任を持って、この部分がそうなんだと言いきれる作品が、強く審査委員の皆さんの心にも残ったのではないかと感じました。受賞者の皆様、おめでとうございます。そしてまた来年、新しい作品が世の中にイノベーションをもたらしてくれることを楽しみにしています。

    西野 亮廣 Akihiro Nishino
    • 芸人/絵本作家/プロデューサー

    最終選考に残った作品はどれも素晴らしかったし、それらの作品の審査と本気で向き合っておられた審査委員の皆さんの姿勢も本当に素晴らしくて、グッときちゃいました。

    いつまでも創造に携わっていたいとあらためて思いました。

    坊垣 佳奈 Kana Bogaki
    • マクアケ
      共同創業者 取締役

    この賞は今までの「広告」に縛られず、だからといって定義が明確でもなく、
    その年によって少しずつ意味合いの変わっていく、非常に懐の大きい賞だと思っています。
    その中にあって、私個人としては、「イノベーション」という言葉を軸に考えたとき、
    実際に本当に社会へのインパクトはどれほどか、個人の「面白い」で終わらない作品をという想いが強くあります。その観点で見ても、受賞となった作品群は非常に素晴らしく、世の中に、人々の生活に変化をもたらすイメージを明確に持たせてくれた作品たちでした。

    また、人々の意識の変化が今までにないスピード感で起こっている今、今っぽさ、その変化を鋭く掴み取っている作品かどうか、の観点も、個人的には重要だと感じており、受賞作品は、「今年」らしい作品の並びとなったと思います。

    今年は去年までよりも応募作品の幅が広く、審査委員も一新され、新しいCI部門のあり方を見たような気がして、私自身もとても勉強になりました。ありがとうございました。
    (さらに言えば、、、来年はもっと地方の企業や中小企業のチャレンジなども見たいな、と思っております。CI部門の普及、もっと審査委員経験者としても頑張ります)

    松島 倫明 Michiaki Matsushima
    • 『WIRED』日本版
      編集長

    3回目となるACC賞審査委員の拝命だったが、過去には全員が推したグランプリに一人だけ入れなかったりと、とかくジャッジが周りと異なることが悩みであり、楽しみでもある。審査会とはつまりは「クリエイティブな/のイノベーション」とは何なのかを、スペシャリストが集って喧々囂々、問い続けることでもある。その答えが言語化されることはなく、歴代の受賞作品によって日々紡がれていくものなのだ。受賞者の皆さま、本当におめでとうございます。

    宮田 昇始 Shoji Miyata
    • SmartHR / 取締役ファウンダー
    • Nstock / 代表取締役CEO

    審査会で高評価を受けた「社長のおごり自販機」についての議論を紹介したい。この自販機は「あえて不便な仕掛けを用意して、結果それが社内でコミュニケーションを生む」というプロジェクトだ。テクノロジーとは本来は人々の生活を「便利」にするものだが、あえて「不便」をつくりだし、人々の生活を豊かにする仕組みと、それが評価されたことは非常に面白いと思った。また、「社長のおごり」というネームングに関して大きく意見が割れた。「このネーミングだと会社に置きたくない」派と、「このネーミングだからこそ利用したい」という意見が真っ二つだった。そして、このプロジェクトはフル出社前提の時代に高評価を得られただろうか?いまの時代を色濃く反映した議論、結果だと思う。

    村田 祐介 Yusuke Murata
    • インキュベイトファンド
      代表パートナー

    多様性。この一言に尽きる審査会でした。
    クリエイティブスタジオ・スタートアップ・SMB・大企業・地方企業など本当に多様なバックグラウンドの方々が創出された様々な作品に対し、夫々全く異なる価値観・視点・切口・情感を持った審査委員が高い熱量で議論させて頂いた事で、公正な審査を以って各アワードをお渡しすることが出来ただけでなく、審査委員みなが新たな価値観を持ち帰ることが出来たのではないかと思います。DE&Iが充足されると、本当に豊かな議論が出来るものなんだと強く実感しました。素晴らしい作品を創られたみなさまに心からの感謝と御祝を申し上げます。

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