
檜原審査委員長 審査講評
2025年はメディア業界も様々な事があり、変革を求められる1年だった。メディアクリエイティブ部門にエントリーした108の作品は全体的に俯瞰してみると従来の「メディアの定義」が変わりつつあるという認識をあらたにした。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった旧来メディアが確かに存在はしているが、街や自販機、
看板、電車の窓、ゲーム、店、壁といった非常にローカライズされた場所やモノがメディアとして使われている作品が実に多かった。そこにオリジナリティ溢れるアイデアが加味された。グランプリの「PLAY THE PRESERVATION - 遊べば遊ぶほど保全が進む-」もそうである。世界遺産である軍艦島にフォーカスを当て、デジタルデータで再現された島全体のコンテンツを、Fortniteという最強オンラインゲームのステージに再現した事で、課金収益の一部を島の保全資金にするというエコシステムは、素晴らしい発見である。そして勿論、作品のクオリティもトップクラス。選定に当たっては白熱した議論をし、最後は全審査メンバー納得のグランプリとなった。今後の継続性と実際の収益成果に期待したい。